凪待ち
またまた白石作品です。
香取慎吾のハマリ役と言えば!
もちろんデクで次点がドク、その次あたりが新選組からのホゲェでスリーピースですかね。
他にもハットリ君やら慎吾ママやら、なんかもう色物ばかりやらされてますが、個人的に1番印象に残ってるのは沙粧妙子の犯人役です。
あれホント超カッコよかった。
トップアイドルが猟奇殺人犯やるとか、しかも3話位で退場してなかったっけトップアイドルなのに。
最後は薔薇を抱えてプールに飛び込んでお亡くなりになったと記憶しております。
とにかく登場から暗躍から退場まで、全てが恐ろしい程斬新でカッコよくて高校生だった私の脳裏にバシッと焼き付いた訳です。
香取慎吾すげぇな、と。
でもその後はあの人懐っこい笑顔でバラエティーもそつなくこなしちゃうものだから、ドラマなんかはやる気元気な役が多かったですよね?でしたよね?
私は、香取慎吾のそういったパブリックイメージのおかげで、しんごちゃんという名前を聞くと、明るくて元気で良く喋るみたいなイメージが植え付けられたようです。
山城新伍ちゃん。
柳沢慎吾ちゃん。
藤森慎吾ちゃん。
そう、結局のところ他のしんごちゃんも、もっと言うと人類全てが香取慎吾ちゃんの枝分かれに過ぎないのです。
しんごちゃんバンザイ。
みなしんごちゃんにひれ伏すのだ。
目覚めよ。
…話を戻しましょう。
そんなしんごちゃんもSMAP後期くらいから、友達少ないとか実は暗いとか目が笑ってないとか、「普段は明るく見えるが実は大きな闇を抱えている」
みたいな所謂ネガティブな部分にスポットが当たるようになりました。
それが意図したものなのか自然な流れなのかはわかりませんが、少なくともしんごちゃん自身がネガティブな部分を隠そうともしなかったので、少しずつイメージを変えて行こうと、本来の自分をもう少し出そうとしていたのかもしれません。
超憶測ですけど。
さて、凪待ちです。
これが本当に良い映画でした。
キャストみんな良いんですけど、やはり香取慎吾です。
主人公の郁夫、ハマリ役でした。
趣味はギャンブルと酒。
人生当然上手くいってない。
仕事もリストラ。
同棲相手が川崎から地元石巻に戻るって言うんで一緒についていきます。
仕事も斡旋してもらってギャンブルも止めて1から再出発。
新しい土地で新しい人生の始まり。
…なんて今まで上手く立ち回れなかった人が今日から俺はを出来るはずありません。
ある日同棲相手とその娘が喧嘩をし、夜になっても娘が帰ってきません。
探しに行く郁夫と同棲相手、そこで大きな事件が起きます。
そして物凄い勢いで郁夫を中心に周りが転落していきます。
基本郁夫の笑顔は少ないです。
ほぼ無いと言っても良いと思います。
ずっと怒ってます。何にでしょうか。
変わりたいけど変われない自分とかでしょうか。
直ぐに裏切る周囲の人達でしょうか。
こんなんじゃない。
こんなことしたいんじゃない。
でも止められない。
葛藤している郁夫、いや香取慎吾、なんか本当にそこにいるのは香取慎吾なんじゃないかって思う位の迫真の演技、見応えありました。
最高です。
最高でーす。
明るいしんごちゃんも良いけど、今回みたいな影のあるしんごちゃんはもっと良い。
むしろ影があった方が、闇が深い方が、きっともっと活きるんじゃないかしんごちゃんは。
そんな感想だったのでした。